2010年 12月 27日
日本人の英語が駄目な訳 |
I can not accept your answer !
以下は、内藤みかさん@micanaitoh のツイートから
> 息子に「「ごめんで済めば警察は要らない」を英語で言ってみな(≧∇≦)!」と問題を出してみました。息子は高校受験生なんですが・・・「え?っと、We don't police....」 (≧∇≦)先行きがとても心配です。。。
このツイートを受けた僕の答えがこれ…
> 「ごめんで済めば警察は要らない」を英語で…難問ですね(笑)会話なら<I can not accept your apology !(君の謝罪は受け入れられない)>とでも言ってやりますが?
このツイートの返信はというと…英語ソフトの作者だという、やすボーイさん@itboy.jp経由で…
> If you get forgiven by just saying "sorry!", there is no need for police . RT @dankogai @micanaitoh ごめんで済めば警察は要らない」を英語で言ってみな」 #twinglish
このやりとりは、このあともしばらく続くのだが…一言で言って「これが日本人の英語を駄目にしてきたんだなあ」というモノである。そう「日本語で発想して、英語に置き換える」という一番悪い発想だ。
結論から言おう。やすボーイさんの訳は、たぶん欧米のネイティブには通じない。
いや意味は分かってもらえるだろうが「意思」が伝わらないんだ。
英語は主語が省略できない。だから、やすボーイさんは「you」を持ってきた。それは間違いではない。しかし、問題は「元々の日本語が無主語である」点だ。
you かもしれないし、he かもしれないし、theyでもいい…そんな曖昧な英語は存在しないのである。少なくとも「コミュニケーションとしての」英語においては…
さて、この種の英語はしばしば聖書に登場する。神はときに人間一般や万物そのものへ呼びかけたり問いかけたりするために、少なからず無主語に近い表現が登場する。そもそも聖書の原典はアフロ・アジア語族に属するヘブライ語であり、インド・ヨーロッパ語族の変種である英語とは構造的に異なった言語であるからだ。
僕が「難問ですね」と応えたのは、こういった背景を踏まえている。つまり「聖書や諺(ことわざ)や純文学」などの、誰もが納得できる歴史的評価の得られたフレーズで、冒頭の「ごめんで済むなら…」に近い表現があるのだろうか?ということなんである。
残念なことに、僕の英語は実戦で覚えた実用英会話(それも旅行者レベルの)であるので、聖書など文語表現には疎いから「そういった文語的表現をご存知の方がいらっしゃるといいのですが」という意味を含めて投げかけたのが<I can not accept your apology !(君の謝罪は受け入れられない)>という意訳である。
まとめると、僕の言いたいのは「日本語で発想したモノを、英語に置き換える…という作業をやめよう!」ということなんだ。これは、よく言われることなんだが…正確には…
英語なら、どう発想するだろう?
…を考えながら「英語に置き換えやすい日本語を考える」という事だ。
ここで、やすボーイさん@itboy.jpの訳した<If you get forgiven by just saying "sorry!", there is no need for police .>を欧米のネイティブが聞いた場合どんな風に受け止めるかと言えば…想像だけど…
君が失敬!という言った(事実)だけから赦されるならば、その場所に警察は存在しない…
こんなコミュニケーションはあり得ないだろう?
日本人とか、欧米人とかの問題じゃない!
ごめんで済めば警察はいらねぇんだよ!と「言う(=赦す)」主体は「私」なんだってこと、だからIf you ...から始まる文章そのものが、英語的でないって事に気づいてほしい。
よくよく考えよう。日本語を英語に「正確に翻訳する必要なんかないん」だ。あるのは「真意を(誤解なく)伝える」ことで、それは論文などを読めば分かることだ。加えて言えば、日本の英語教育(特にリーダー)は、そもそもは大学で論文(文献)が読めるようになることを想定したもので、会話を想定したものではない。
また高校英語の課程にある「英作文」も、日本語を翻訳する事は想定されていないはずだ。試験問題の英作文だって、基本的には英語に置き換えやすい文章になっている(ハズ)。
文法に頼ると通じない英語になる。よく言われることだが、これも理解されていない。
Do you have chocolate ?を「チョコレートを持っていますか?」って訳したら「0点」だって事さ(※正解は「(お店などで)チョコレートありますか?」)こんな簡単な英語を、学校では教えてくれないんだよなあ…
蛇足だが、最後に僕の好きな訳…
英:Of course I'm so happy !!
誤:勿論、私は幸せです
正:美味しいに決まってんだろ!
何でそうなるのって?モスバーガーの紙ナプキンに、描かれていた挿絵に添えられた文だからだ。口いっぱいにハンバーガーを頬張った少年から発せられる言葉に一番相応しいと思った。今風に言えば「フツーに美味い」とか単に「ヤバーイ」でも好いよね。
以下は、内藤みかさん@micanaitoh のツイートから
> 息子に「「ごめんで済めば警察は要らない」を英語で言ってみな(≧∇≦)!」と問題を出してみました。息子は高校受験生なんですが・・・「え?っと、We don't police....」 (≧∇≦)先行きがとても心配です。。。
このツイートを受けた僕の答えがこれ…
> 「ごめんで済めば警察は要らない」を英語で…難問ですね(笑)会話なら<I can not accept your apology !(君の謝罪は受け入れられない)>とでも言ってやりますが?
このツイートの返信はというと…英語ソフトの作者だという、やすボーイさん@itboy.jp経由で…
> If you get forgiven by just saying "sorry!", there is no need for police . RT @dankogai @micanaitoh ごめんで済めば警察は要らない」を英語で言ってみな」 #twinglish
このやりとりは、このあともしばらく続くのだが…一言で言って「これが日本人の英語を駄目にしてきたんだなあ」というモノである。そう「日本語で発想して、英語に置き換える」という一番悪い発想だ。
結論から言おう。やすボーイさんの訳は、たぶん欧米のネイティブには通じない。
いや意味は分かってもらえるだろうが「意思」が伝わらないんだ。
英語は主語が省略できない。だから、やすボーイさんは「you」を持ってきた。それは間違いではない。しかし、問題は「元々の日本語が無主語である」点だ。
you かもしれないし、he かもしれないし、theyでもいい…そんな曖昧な英語は存在しないのである。少なくとも「コミュニケーションとしての」英語においては…
さて、この種の英語はしばしば聖書に登場する。神はときに人間一般や万物そのものへ呼びかけたり問いかけたりするために、少なからず無主語に近い表現が登場する。そもそも聖書の原典はアフロ・アジア語族に属するヘブライ語であり、インド・ヨーロッパ語族の変種である英語とは構造的に異なった言語であるからだ。
僕が「難問ですね」と応えたのは、こういった背景を踏まえている。つまり「聖書や諺(ことわざ)や純文学」などの、誰もが納得できる歴史的評価の得られたフレーズで、冒頭の「ごめんで済むなら…」に近い表現があるのだろうか?ということなんである。
残念なことに、僕の英語は実戦で覚えた実用英会話(それも旅行者レベルの)であるので、聖書など文語表現には疎いから「そういった文語的表現をご存知の方がいらっしゃるといいのですが」という意味を含めて投げかけたのが<I can not accept your apology !(君の謝罪は受け入れられない)>という意訳である。
まとめると、僕の言いたいのは「日本語で発想したモノを、英語に置き換える…という作業をやめよう!」ということなんだ。これは、よく言われることなんだが…正確には…
英語なら、どう発想するだろう?
…を考えながら「英語に置き換えやすい日本語を考える」という事だ。
ここで、やすボーイさん@itboy.jpの訳した<If you get forgiven by just saying "sorry!", there is no need for police .>を欧米のネイティブが聞いた場合どんな風に受け止めるかと言えば…想像だけど…
君が失敬!という言った(事実)だけから赦されるならば、その場所に警察は存在しない…
こんなコミュニケーションはあり得ないだろう?
日本人とか、欧米人とかの問題じゃない!
ごめんで済めば警察はいらねぇんだよ!と「言う(=赦す)」主体は「私」なんだってこと、だからIf you ...から始まる文章そのものが、英語的でないって事に気づいてほしい。
よくよく考えよう。日本語を英語に「正確に翻訳する必要なんかないん」だ。あるのは「真意を(誤解なく)伝える」ことで、それは論文などを読めば分かることだ。加えて言えば、日本の英語教育(特にリーダー)は、そもそもは大学で論文(文献)が読めるようになることを想定したもので、会話を想定したものではない。
また高校英語の課程にある「英作文」も、日本語を翻訳する事は想定されていないはずだ。試験問題の英作文だって、基本的には英語に置き換えやすい文章になっている(ハズ)。
文法に頼ると通じない英語になる。よく言われることだが、これも理解されていない。
Do you have chocolate ?を「チョコレートを持っていますか?」って訳したら「0点」だって事さ(※正解は「(お店などで)チョコレートありますか?」)こんな簡単な英語を、学校では教えてくれないんだよなあ…
蛇足だが、最後に僕の好きな訳…
英:Of course I'm so happy !!
誤:勿論、私は幸せです
正:美味しいに決まってんだろ!
何でそうなるのって?モスバーガーの紙ナプキンに、描かれていた挿絵に添えられた文だからだ。口いっぱいにハンバーガーを頬張った少年から発せられる言葉に一番相応しいと思った。今風に言えば「フツーに美味い」とか単に「ヤバーイ」でも好いよね。
by mikeAlpha
| 2010-12-27 22:15
| エッセイ